今回は中古マンションのお話です。
ボクは中古の戸建を購入しましたが、家を探している当時は中古マンションも検討していました。
マンション探しでは
「マンションは管理を買え!」
とよく言われます。
で、そもそも
管理を買えって何?
というお話です。
という人のために、この記事ではふたつの書類について解説します。
- 重要事項に係る調査報告書
- 長期修繕計画
この書類を必ずチェックしましょう。
マンションの管理組合
まず、「マンションは管理を買え」というのは「管理組合」と大きく関係します。
ですから、いきなり「重要事項に係る調査報告書」と「長期修繕計画」の話をする前に、管理組合について説明します。
管理組合とは
管理組合とは、マンションを管理するために所有者で構築される組合です。
例えると町内会のようなものです。
「自分たちが所有しているマンションをみんなで協力して維持していこうね」
という目的の組合です。
なぜこのような組合があるかというと、戸建では所有している人が基本的に1世帯のためボロくなろうがどこか故障しようが、直すのは所有している人の自己判断です。
ですが、マンションは個々の部屋は所有者のものですが、マンション全体についてはみんなで考える必要があります。
古くなれば外壁を塗装したり、エレベーターを新しくしたりなど、共用部分の維持を考えるために管理組合が必要なのです。
町内会は入るか入らないかは任意ですが、分譲マンションでは管理組合に入ることがマストです。
ですから、所有者みんなが組合員となっており、その中から数人が役員として管理組合の業務を実施します。
管理組合の役員は、くじ引きや当番制などマンションによって異なるようですが、数年に一度順番が回ってくることが多いようです。
管理費と修繕積立金の違い
マンションを購入すると「管理費」と「修繕積立金」の支払いが毎月必要になります。
管理費と修繕積立金はマンション全体を維持管理していくために必要なお金なのです。
管理費とは
マンションにはエントランスやエレベーターなど共用部分の設備があります。
それらには照明がついていたり、エレベーターやオートロックのドアを開けるのにも電気代が必要です。
その他にも共用部分の設備には様々なお金が発生しています。
マンションの管理は専門の会社である「管理会社」に委託するため、その委託費もあります。
それらを住民みんなで負担するのが管理費です。
修繕積立金とは
修繕積立金とは字のごとく、マンションを将来にわたって修繕していくために積み立てるお金です。
年数が経っていくとマンションは劣化していきます。
マンションが傷んできたときに修繕するため、
「修繕費用を住民みんなで積立しようね」
というものです。
重要事項に係る調査報告書とは?
冒頭に「重要事項に係る調査報告書」と「長期修繕計画」をチェックするように言いましたが、まずは「重要事項に係る調査報告書」について説明します。
「重要事項に係る調査報告書」を見ると様々なことがわかりますが、管理の面で最低限チェックしてほしいのは次のふたつです。
- 修繕積立金がいくら貯まっているか
- 管理費や修繕積立金を滞納している人がいないか
他にもわかることはありますが、まずはこの2点をチェックするようにしてください。
修繕積立金はいくら貯まっているといいの?
修繕積立金の金額を見てもピンと来ないかもしれません。
仮に2,000万円貯まっていると記載されていても、それが多いのか少ないのかわからないでしょう。
そこで「長期修繕計画」の出番です。
後で詳しく説明しますが、「長期修繕計画」を見ることによって金額の妥当性を判断することができます。
滞納している人がいると?
管理や修繕積立金を滞納している人がいる場合があります。
修繕積立金を滞納している人がいると、適切に積立金が貯まりません。
そもそも管理費や修繕積立金の支払いは義務でみんなで協力するものなのに、滞納するということはルールを守らない人が住んでいるということです。
みんなはきちんと払っているわけですから、マンション内で不公平感も発生します。
ですから、滞納があると住民の民度が少し気になります。
もしそんな人が隣や上の階に住むと考えると抵抗がありますね。
長期修繕計画とは?
長期修繕計画とは、マンションの修繕計画の書類です。
- いつどんな修繕工事をするか?
- それにいくらの予算を見込んでいるか?
- 修繕積立金の残額がいくらになるか?
などがわかります。
具体的には、●年後にエレベーターを新しくするとか、配管を交換するとか、それに対していくらの予算を積んでいるかがわかります。
「重要事項に係る調査報告書」に記載されている修繕積立金の残額と照らし合わせて、きちんとお金が足りるかをチェックしましょう。
修繕積立金が足らない?
長期修繕計画を見て、将来的に修繕積立金が不足するパターンもあります。
修繕積立金が不足すると、適切な時期に修繕がされない可能性があります。
誰だって、外観がボロボロのマンションを見て「このマンションは管理がちゃんとされているなー」と思わないですよね。
つまり、修繕積立金がきちんと貯まっているかはすごく重要なことで、足りないと管理状態が悪くなります。
そのときにはなんらかの対策をする必要があり、例えば次のようなケースが考えられます。
- 後回しにする(しばらく放置)
- 管理組合が銀行から借り入れをする
- 住民みんなから一時金を徴収して実施する
- 修繕積立金を値上げする
後回しにする(しばらく放置)
修繕積立金が足らないため、本来は202●年に実施するはずだった工事を数年遅らせます。
その間に修繕積立金が貯まっていきますので、そのお金で大規模修繕を実施するわけです。
ですが、外壁やエレベーターがボロボロだと、誰が見てもマンションの管理状態は良くは見えないです。
管理組合が銀行から借入をする
お金が不足していれば、マンションの管理組合が銀行から借入をするのです。
銀行から借りたお金で大規模修繕を実施して、借入金は少しずつ返済していきます。
借入をすると、「重要事項に係る調査報告書」にも記載されます。
ですから、購入したいマンションがあったときに管理組合が銀行から借入があると、過去に修繕積立金が足りなくなった可能性があります。
(別の理由もあるかもしれませんが)
一時金の徴収
修繕の計画に対して修繕積立金が足りないときに、住民みんなから一時金を徴収するパターンもあります。
そのときのツイート↓
気になっている中古マンション。
長期修繕計画を取り寄せてみたら、2年後の修繕で100万円の負担金がいるっぽいことが書いてある!
ひぇ〜😱中古マンションを検討する人は、長期修繕計画の確認すること、絶対だぞ!
— 楽々家 (@rakuraku_ka) December 9, 2021
修繕積立金の値上げ
建物は時間が経つほど劣化して修繕が必要となります。
そのため、修繕積立金がさらに必要になるため、修繕積立金は値上げされることがよくあります。
むしろ、新築当初は低く設定されており、年数が経つほど値上げする計算となっています。
特に最近では物価高による資材費高騰でより多くの修繕積立金が必要となっています。
実際にあった知り合いの話
ボクの知り合いが住んでいるマンションはもうすぐ築30年を迎えようとしており、大規模修繕を計画しています。
ところが、修繕積立金が不足しているのです。
そのため、次の2つで管理組合と住民で検討をしているようです。
- 銀行から借入をして大規模修繕を実施するか
- 大規模修繕を遅らせるか
このように修繕積立金がどれくらい貯まっているかによって適切な時期に適切な修繕ができるか大きく影響します。
ですから、重要事項に係る調査報告書で修繕積立金がきちんと貯まっているか、滞納している人がいないか、長期修繕計画で修繕積立金が不足しないかをチェックしましょう。
戸数が少ないマンションは注意
修繕積立金はみんなで毎月修繕費を積み立てるものです。
つまり、戸数が少ないマンションは、マンションの住民が少ないため修繕積立金が貯まりにくいのです。
例:修繕積立金が毎月10,000円の場合
●20戸のマンション
20戸×10,000円=20万円
年間240万円→10年で2400万円
●30戸のマンション
30戸×10,000円=30万円
年間360万円→10年で3600万円
マンションの戸数が大きくなるとエレベーターの数が増えたり設備も多く必要になるため、多ければ多いほど修繕積立金が安くなるわけではありませんが、戸数が少ないマンションでは修繕積立金が高くなる、もしくは修繕があまりされない可能性があるかもしれません。
一般的には30~40戸以上が望ましいと言われています。
書類をもらうには?
SUUMOやアットホームに掲載されている不動産屋さんに問合せればもらえることができます。
こちらから言わなくても内見のときに用意してくれる素晴らしい営業マンもいますが、こちらから言わないとくれない営業マンもいます。
まとめ
●重要事項に係る調査報告書
●長期修繕計画
このふたつを必ず取り寄せて内容をチェックしましょう。
マンションの管理状態を確認するにはこれ以外にもありますが、この記事では上記の書類をチェックする方法について解説しました。